「定期接種」と「任意接種」とは?
法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。接種費用は、定期接種は公費ですが、任意接種は自己負担となります。(定期接種の一部で自己負担もございます。)
スケジュールについては「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」がございますので、併せてご確認ください。
お子様が生後2ヶ月になったら、定期接種を受けましょう。
Hib(ヒブ)ワクチン
Hib菌による重症感染症を予防するワクチンです
(Hib菌が起こす病気で一番怖い病気は細菌性髄膜炎)。
乳幼児期に発症しやすい菌なので、生後2ヶ月になったら
早めに接種しましょう。
接種対象年齢
生後2ヶ月〜5歳未満児
接種対象期間
生後2ヶ月〜7ヶ月未満に接種開始
(生後2ヶ月になったらできるだけ早めに開始)
接種回数
4回接種(標準)
- 7ヶ月未満までに接種開始しなかった場合は接種開始月齢により1〜3回接種してください。
- 生後7ヶ月以降で接種開始をした場合は接種回数が変わります。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌による重症感染症(敗血症、細菌性髄膜炎など)を
予防するワクチンです。
肺炎球菌による難治性中耳炎への効果も見られています。
生後2ヶ月になったら早めに接種しましょう。
接種対象年齢
生後2ヶ月~5歳未満児
- 任意接種は6歳未満児まで
接種対象期間
生後2ヶ月〜7ヶ月未満に接種開始
(生後2ヶ月になったらできるだけ早めに開始)
接種回数
4回接種(標準)
- 7ヶ月未満までに接種開始しなかった場合は接種開始月齢により1〜3回接種してください。
- 生後7ヶ月以降で接種開始をした場合は接種回数が変わります。
B型肝炎ワクチン
3回接種すれば、B型肝炎のキャリア化
および青年期の劇症肝炎を防ぐことができます。
接種対象年齢
平成28年4月1日以降生まれの1歳未満児
接種回数
3回
接種対象期間
- 〈初回接種〉
- 生後2ヶ月から27日以上の間隔をあけて2回接種
- 〈追加接種〉
- 1回目から20週の間隔をあけて1回接種
生後2ヶ月になったら<5種混合 + 肺炎球菌 + B型肝炎 + ロタウイルスワクチン>を接種しましょう。
当クリニックでは1ヶ月前から予約を取ることができます。“生後2ヶ月になったら接種開始”が望ましいので、生後1ヶ月を越えたら予防接種の予約を取りましょう。
5種混合ワクチンは4種混合ワクチンとヒブワクチンが1つになったワクチンで、令和6年4月より定期接種化されました。
2回目以降の予防接種のスケジュールについて
令和6年4月以降予防接種を開始した方は5種混合ワクチンを使用したスケジュールになります。
令和6年3月以前に予防接種を開始した方は4種混合ワクチンを使用したスケジュールになります。
一宮市の乳児健診(乳児期後期用)について
生後6ヶ月〜1歳1ヶ月になる2日前まで乳児健診券が使用できます。乳児期後期にうける健診の時期は生後9ヶ月前後がおすすめです。離乳食の心配や4ヶ月健診にて経過観察が必要な項目がなければ、生後9〜10ヶ月頃の受診がよいでしょう。
乳児期後期に2回乳児健診をうけられるのであれば(1回は自費となります)、生後6ヶ月の受診でもよいでしょう。
9ヶ月健康相談が保健センターでおこなわれますが、医師の診察が含まれていません。健康相談とは別に乳児健診を個別に受診してください。
ワクチンの接種間隔に関する変更
令和2年10月1日からワクチンの接種間隔に関する規定の改正があります。
今回変更されること
- 注射生ワクチンと不活化ワクチンとの間隔の制限がなくなります。
- 経口生ワクチンと注射生ワクチンとの間隔の制限がなくなります。
- 異なる不活化ワクチン間の間隔の制限がなくなります。
今回変更されないこと
- 注射生ワクチン間の間隔の制限は27日間のままです。
- 同じ不活化ワクチン間の間隔は従来通りです。
今回の改正で一番便利なのはインフルエンザワクチンの接種の時です。たとえば10月10日に麻疹風疹ワクチンを接種して10月15日にインフルエンザワクチンの接種をおこなうことができるようになります。ご不明な点はお問い合わせください。
〈 当クリニックで接種できる定期接種 〉
〈 当クリニックで接種できる任意接種 〉
- 平成26年10月から定期接種となったため、任意接種として接種するのは定期接種対象外者となります。
- 平成28年10月から、平成28年4月1日以降生まれの1歳未満児を対象に定期接種化されたので、任意接種は定期接種対象者以外が対象となります。
麻しん風しん(MR)ワクチン
麻疹(はしか)は重い病気でかつ、感染力が極めて強い病気です。
風疹は比較的軽い病気ですが、
妊婦が感染すると胎児の重大な病気を引き起こします。
国民全員が免疫力を保持することがとても大切なので、
1歳になったら早く接種することが大切です。
接種対象年齢
- 〈1期接種〉
- 生後12〜24ヶ月未満児
- 〈2期接種〉
- 幼稚園、保育園の年長児に相当するこども
4種混合(DPT-IPV)ワクチン
成人の百日咳患者数が増えています。
成人にとって百日咳はそれほど重い病気ではありません。
しかし、それが赤ちゃんに移ると重大な病気となります。
早めに接種しましょう。
接種対象年齢
生後3ヶ月〜90ヶ月(7歳6ヶ月)未満児
接種対象期間
- 〈初回接種〉
- 3〜8週間の間隔で3回接種
- ヒブワクチンまたは肺炎球菌と同時接種の場合、原則として4週間〜8週間の間隔での接種となります。
- 〈追加接種〉
- 初回接種終了後約1年〜1年半後に接種
- 初回接種終了後、6ヶ月〜12ヶ月の間に接種することも可能です。
2種混合(DT)ワクチン
破傷風とジフテリアを予防するワクチン(トキソイド)です。
特に破傷風菌は身近に生息する菌です(土壌に生息します)。
必ず接種しましょう。
接種対象年齢
小学校6年生のうちに1回接種
日本脳炎ワクチン
1期初回接種 対象年齢・期間
3歳〜7歳6ヶ月未満児で
1週間以上の間隔で2回接種
- 当クリニックでは4週間程度の間隔を空けて接種することをおすすめしています。
- 生後6ヶ月~3歳未満の海外渡航前(主に東南アジア方面)の方も定期接種として接種ができます。
詳しくは保健センターへお問い合わせください。
1期追加接種 対象期間
1期接種終了後、おおむね1年空けて1回接種
2期接種 対象年齢・期間
9歳〜13歳未満児で
1回接種
- 標準的接種時期は9歳です。
不活化ポリオワクチン(単独)
4種混合ワクチン(DPT-IPV)に移行しているので、
現在接種するのは初回接種を不活化ポリオワクチンで
受けられた方の追加接種に限られます。
BCGワクチン
接種対象年齢
生後3ヶ月〜1歳の誕生日の前日まで
- 生ワクチンなので、接種前6日間と接種後27日間は他のワクチンを接種できません。
- 生後3ヶ月未満でも医師が必要と認めれば自費にて接種することができますが、
特別な理由がない限り生後3ヶ月以降の接種をおすすめします。
HPVワクチン(子宮頚がん予防ワクチン)
HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)は平成25年6月以降、国の方針として積極的に接種をお勧めすることは見合わせる状態が続いていましたが、令和3年11月より方針が転換され、接種をお勧めする方針となりました。
この9年間で予防効果と副反応についての知見が蓄積し、予防効果のメリットが副反応のリスクを大きく上回ることが明らかになったこと、稀な重い副反応(ワクチンの成分が原因とは限らない)への受診体制が整ったことがその理由です。
令和5年4月より9価HPVワクチンを定期接種として接種できるようなりました。
令和5年4月以降に1回目のHPVワクチン接種をされる方は原則として9価ワクチンで接種をおこないます。
接種対象者
小学6年生〜高校1年生の女子
1997年度~2007年度生まれの女子で3回接種を完了していない方は
2025年3月までキャッチアップ接種として無料接種の対象となります。
接種回数
2~3回接種
9価HPVワクチンで15歳未満に接種を開始する場合2回の接種で完了できます。
その他の場合は3回接種です。
接種間隔
9価ワクチンの場合
〈初回接種が15歳未満の場合〉
2回目接種は1回目から6か月以上あけて接種
〈初回接種が15歳以上の場合〉
2回目接種は1回目から2か月あけて接種
3回目接種は1回目から6か月あけて接種
キャッチアップ接種について
接種機会を逃した方に3年間キャッチアップ接種として無料で接種ができる機会が設けられます。
水痘(みずぼうそう)ワクチン
水痘の抗体を十分に獲得しないまま成人となると
重症化の危険および産前産後の水痘の罹患は生まれてくる子どもへの危険も伴います
(これまでの成人におけるはしかや風疹の流行と同様に、
成人で水ぼうそうの流行が問題となる時がくることが予想されます)。
接種対象年齢
満1歳〜3歳の誕生日の前日まで
接種回数
2回接種
接種対象期間
1回目は生後12〜15ヶ月に接種
2回目は1回目接種後6〜12ヶ月の間隔をおいて接種
- 最短で3ヶ月の間隔をおいて接種可能です。
- すでに水痘にかかったことがある子は対象外です。
- 任意接種としてすでに接種している場合、接種した回数分をうけたものとみなします。
ロタウイルスワクチン
ロタウイルス感染症を予防することができます。
接種をすればロタウイルスによる胃腸炎により
入院が必要になることはほとんどなくなります。
接種対象年齢
令和2年8月1日生まれ以降の乳児
(令和2年7月31日生まれ以前の方は任意接種です)
接種開始月齢
生後2ヶ月になったら早めにヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、
B型肝炎ワクチンと一緒に接種を始めましょう。
遅くとも生後14週6日までに初回接種の予約を入れてください。
※生後14週6日を過ぎてしまった場合、条件によっては接種ができることがあるのでお問い合わせください。
ワクチンの種類、接種間隔
ロタウイルスワクチンは2種類あります。
ロタテック(5価ワクチン)27日の間隔をあけて3回接種
ロタリックス(1価ワクチン)27日の間隔をあけて2回接種
- ロタテックは生後32週1日以降は接種ができません。
- ロタリックスは生後24週1日以降は接種ができません。
- ロタウイルスワクチンは非常にまれですが腸重積症を引き起こすことがあります。
個別通知に同封されている説明文書やワクチン接種後にお渡しする
説明文書をよくお読みください。
水痘(水ぼうそう)ワクチン
水痘の抗体を十分に獲得しないまま成人となると
重症化の危険および産前産後の水痘の罹患は生まれてくる子どもへの危険も伴います
(これまでの成人におけるはしかや風疹の流行と同様に、
成人で水ぼうそうの流行が問題となる時がくることが予想されます)。
水痘ワクチン任意接種世代で水ぼうそうにかかっていない子は
ワクチンの2回接種を強くおすすめします。
接種対象年齢
1歳以上の定期接種対象外の方
接種料金
¥7,500/回
接種回数
2回接種
おたふくかぜワクチン
子どもがおたふくかぜにかかる一番の問題は
後遺症として難聴が残ることがあることです。
2回接種でほぼ完全に防ぐことができます。
接種対象年齢
生後1歳以上
接種料金
¥6,000/回
- 令和5年5月以降一宮市内在住の1歳以上の未就学児は
1回限り¥2,000の助成が受けられます。
接種回数
2回が推奨されます
推奨される接種時期
- 〈1回目〉
- 1歳になってから早めに
- 〈2回目〉
- 幼稚園、保育園の年長のとき(MRの2期接種の期間と同じ)
インフルエンザワクチン
接種対象年齢
生後6ヶ月以上
接種が望ましい方
生後6ヶ月〜15歳のこども
基礎疾患がある生後6ヶ月〜15歳のこども(おもに気管支喘息)
0歳児のこどもの保護者
基礎疾患があるこどもの保護者
高齢者(65歳以上)
医療従事者
妊婦
A型肝炎ワクチン
接種が望ましい方
おもに3歳以上でA型肝炎の流行地域に滞在される方
- 成人の場合、A型肝炎流行地域へ旅行のときも接種をおすすめします。
接種料金
¥7,000/回
接種回数
3回接種
接種対象期間
2回目接種は1回目接種の4週間後に接種
3回目接種は2回目接種の24週を経過後に接種
B型肝炎ワクチン
接種対象年齢
生後2ヶ月以上
接種が望ましい方
- 〈すべての子ども〉
- 家族に母親以外のB型肝炎キャリアがいる方
B型肝炎流行地域に1ヶ月以上滞在予定の方 - 〈成人〉
- 採血業務などに関わることがある医療従事者
B型肝炎流行地域に1ヶ月以上滞在予定の方
接種料金
¥5,000/回
接種回数
3回接種
接種対象期間
2回目接種は1回目接種の4週間後に接種
3回目接種は1回目から20週の間隔をあけて接種
- 海外渡航前などで接種スケジュールに制約がある場合などはある程度のスケジュール調整が可能です。接種時にご相談ください。
3種混合(DPT)ワクチン
4種混合(DPT-IPV)ワクチンによりジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオを予防しますが、学童の百日咳の増加を受け、2018年から日本小児科学会が接種の推奨を開始しました。
百日咳は予防接種をまだ受けられない3ヶ月未満児が感染すると、命に関わるほど重症化をすることがあります。これから弟、妹が産まれる予定のある幼稚園、保育園の年長児以降の子どもは特に接種を推奨されます。
接種対象年齢
幼稚園、保育園の年長以降の子ども
接種回数
2回接種
接種料金
¥5,000/回
接種対象期間
1回目は幼稚園、保育園の年長のときに接種
2回目は小学6年生(定期接種の2種混合(DT)ワクチンの代わりに接種する)
5種混合ワクチン(DTP-IPV-Hib)
令和6年4月より4種混合ワクチンにヒブワクチンが混合され、5種混合ワクチンとして接種ができるようになりました。
ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、Hib菌感染症を予防するワクチンです。
接種対象年齢
生後2ヶ月~7歳6ヶ月未満
接種対象期間
- 〈初回接種〉
-
3~8週間の間隔で3回接種
(当院では原則4~8週間の間隔で接種します) - 〈追加接種〉
- 初回接種終了後6ヶ月以上あけて接種